EC事業者のためのWMSシステム専門メディア|ロジハピ » ネットショップを開業するには? » ECサイトのセキュリティ対策

ECサイトのセキュリティ対策

ECサイトの運営において、セキュリティは不可欠な要素です。適切な対策を講じないと、顧客情報の漏洩や損害賠償といった重大なリスクを招く可能性があります。この記事では、ECサイト運営者が実施すべき具体的なセキュリティ対策について詳しく説明します。

脆弱性の対策

ECサイトのセキュリティを強化するためには、プログラムの脆弱性を常に把握し、迅速に対策を講じることが重要です。アプリやシステムは複雑なプログラムの集合体であり、新たな脆弱性が日々発見されています。これに対応するため、システムやアプリを最新の状態に保つことが求められます。ベンダーが提供する更新プログラムを定期的にチェックし、可能な限り早急に適用することが必要です。

また、アップデート作業によるシステム停止の影響を最小限に抑えるため、事前に脆弱性の影響範囲を把握し、計画的に対応することが効果的です。

アクセス権限を管理する

ECサイトの管理画面に対するアクセス権限を厳重に管理することも重要なセキュリティ対策の一つです。管理者だけがアクセスできるように、ユーザー名とパスワードの適切な管理が求められます。特に、パスワードが第三者に漏洩した場合の被害を最小限に抑えるため、アクセス元の端末を制限する対策が有効です。

例えば、オフィス内のパソコンからのみ管理画面にアクセスできるようにIPアドレスで制限をかけることが推奨されます。また、業務内容に応じてアクセス権限を細分化し、必要な権限のみを付与することで、セキュリティをさらに強化することが可能です。

ASP型のショッピングカートを利用する

ECサイトにおけるショッピングカートは、顧客の銀行口座やクレジットカード情報などの重要なデータを扱うため、特にセキュリティ対策が求められます。自社でショッピングカートを開発する場合、セキュリティリスクが高く、アップデートにも慎重な対応が必要となります。そこで、ASP型のショッピングカートを利用することで、セキュリティリスクを軽減することができます。ASP型のサービスでは、脆弱性が発見された際に専門知識を持った事業者が迅速に対応し、セキュリティ対策を施してくれます。

特に、「常時SSL」や「トークン決済」に対応しているサービスを選ぶことで、顧客情報をより安全に保護することが可能です。

個人情報は厳重に管理する

顧客の個人情報は、インターネットから直接アクセスできる場所に保管してはなりません。サーバーの公開フォルダや、誰でもアクセス可能な場所に個人情報を保存することは非常に危険です。また、パスワードやサーバーの設定ファイルなど、個人情報に関連する管理情報も同様に厳重に管理する必要があります。日常的に公開する情報を最小限に抑え、不要になったデータは迅速に削除することが推奨されます。

誤って公開してしまった情報がある場合には、インターネット検索エンジンにキャッシュされていないかを確認し、必要に応じて削除申請を行うことが重要です。

セキュリティ対策サービスを導入

ECサイトのセキュリティをさらに強化するためには、最新のセキュリティ対策製品やサービスを導入することが効果的です。サーバーにはファイアウォールやアンチウイルスソフトを導入し、不正アクセスやウイルスの侵入を防ぐ対策を講じましょう。

また、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の導入も検討すべきです。これにより、Webサイトを通じた不正なアクセスや攻撃を防ぎ、サイトの安全性を確保することができます。管理業務に使用するパソコンにも適切なセキュリティ対策を施し、全体的なセキュリティレベルを向上させることが重要です。

管理のマニュアル化

ECサイトの運営において、社内スタッフが原因となる情報漏洩を防ぐためには、管理手順のマニュアル化が不可欠です。重要な情報の管理手順を明確にし、全スタッフに徹底させることで、操作ミスによる情報漏洩を防ぐことができます。

また、個人所有のUSBメモリの使用を禁止するなど、情報の持ち出しを防ぐルールを設定することも有効です。定期的に教育やトレーニングを実施し、全スタッフがセキュリティ意識を高く持つよう促すことで、組織全体のセキュリティを強化することができます。

ピックアップ記事